挑戦的研究賞

挑戦的研究賞

英語名称 : Science Tokyo Challenging Research Award

概要

挑戦的研究賞は、本学の若手教員の挑戦的研究の奨励を目的として、世界最先端の研究推進、未踏の分野の開拓、萌芽的研究の革新的展開又は解決が困難とされている重要課題の追求等に果敢に挑戦している独創性豊かな新進気鋭の研究者を表彰するとともに、研究費の支援を行うものです。本賞を受賞した研究者からは、数多くの文部科学大臣表彰受賞者が生まれています。

リサーチディベロップメント機構は、挑戦的研究賞の選考を通して、本学の若手教員の研究動向を把握するとともに、必要な支援策について検討を行っています。

過去の受賞者一覧

令和7年度の推薦について【学内限定】

推薦についてはこちら

※本賞は公募制ではありません。

※令和7年度の推薦受付は終了しました。

令和7年度の受賞者

第24回目の今回は9名の受賞が決定しました。うち3名は末松特別賞*にも選ばれました。

*挑戦的研究賞受賞者のうち特別に優れていると評価された研究者に対する、末松基金による顕彰。

受賞者 所属等 職名 研究課題名
(★は末松特別賞)
西口 大貴 理学院
物理学系
准教授 細胞集団運動トポロジーによるアクティブマター医工学の創出
野間 大史 工学院
電気電子系
助教 生体分子を用いた軌道デバイスの開拓
CHIU WAN TING 物質理工学院
材料系
准教授 機能性複合材料の創製・循環に関する基礎学理の構築と基盤技術の開発
相馬 拓人 物質理工学院
応用化学系
助教 多元系窒化物材料のハイスループット探索
大橋 匠 環境・社会理工学院
融合理工学系
准教授 トランジションデザイナーのコンピテンシーモデル構築および育成プログラム開発
阿部 大数 医歯学総合研究科
脳神経機能外科学分野
助教 頭部外傷患者の重症度層別化と増悪感知モニタリングのための機械学習モデルの構築
久野 恭平 総合研究院
化学生命科学研究所
助教 ★重合空間ダイナミクスに基づくメゾ秩序設計と高分子機能化
飯谷 健太 総合研究院
生体材料工学研究所
講師 ★健康予測の実現に向けたヒト生化学状態の非侵襲リアルタイム計測デバイスの開発
三宅 健介 総合研究院 准教授 ★ヒト好塩基球のアトピー性皮膚炎における役割解明

末松特別賞受賞者のコメント

久野 恭平 助教

<久野 恭平 助教>

総合研究院 化学生命科学研究所 

このたびは、栄誉ある東京科学大学挑戦的研究賞および末松特別賞を賜りましたこと、大変光栄に存じます。宍戸厚教授(総合研究院化学生命科学研究所)をはじめ、これまでご指導いただきました先生方、共同研究の先生方、ともに研究に携わってくれた学生の皆さまには、この場を借りて心より感謝申し上げます。

高分子材料は優れた柔軟性や軽量性、低コスト、高い機能設計自由度から身の周りにある多種多様な製品として利活用されています。最近では、フレキシブルディスプレイやウェアラブルセンサなど柔軟性を活かした応用から発展し、次世代ソフトデバイスの鍵材料として注目されています。しかし、高分子材料の機能源泉である分子構造から巨視的形状にわたるマルチスケール秩序構造の一貫した能動制御は未だに困難であり、分子機能と巨視的材料物性を繋ぐ中間(メゾ)構造の合目的的な設計指針・手法の開拓が重要です。本研究では、高分子合成が進行する「重合空間」に着目し実験化学と計算科学を融合することで、メゾ構造を精密に制御する新手法を確立することを目指しています。メゾ構造の秩序設計に基づく機能化を軸に、革新的機能を示す高分子機能材料を開発していきたいと考えています。

飯谷 健太 講師

<飯谷 健太 講師>

総合研究院 生体材料工学研究所

この度は、栄誉ある東京科学大学挑戦的研究賞および末松特別賞を受賞させていただき大変光栄に存じます。平成14年度より続く本賞受賞者の末席に名前を連ねることに、身の引き締まる思いです。現所属の分野長である三林浩二先生をはじめ、医歯理工融合研究にてご指導を頂いている本学医学部、歯学部の先生方、共同研究者、家族など、お世話になった多くの方々に心より感謝申し上げます。

社会には多くのセンサが活用されており、医療・健康状態のモニタリングを目的としたウェアラブルデバイスも大きな市場へと発展しています。脈拍や体温など多くの物理生体情報に比べ、生化学的情報を測定するケミカルセンサの実用化はまだ十分でありません。本研究では、非侵襲的に代謝状態を把握するための対象サンプルとして「経皮ガス」に着目し、酵素反応に基づく光バイオセンサで特定分子を選択的かつリアルタイムに計測するデバイスの開発を進めていきます。将来的には、多様なセンサ素子を搭載した生体用デバイスが情報処理技術と融合することで、「超早期の医療診断・健康予測」が期待されます。

三宅 健介 准教授

<三宅 健介 准教授>

総合研究院

このたびは、栄誉ある東京科学大学挑戦的研究賞ならびに末松特別賞を賜り、誠に光栄に存じます。烏山一特任教授をはじめ、日頃より研究を支えてくださっている多くの先生方、そして研究室の学生の皆様に、心より御礼申し上げます。

好塩基球は、ヒトでもマウスでも血中にわずか0.5%ほどしか存在しない非常に希少な免疫細胞です。その生理的機能は長らく不明でしたが、近年、マウスモデルの解析により、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー性疾患モデルにおいて、炎症誘導に重要な役割を果たすことが明らかになってきました。しかしながら、ヒト疾患、とくにアトピー性皮膚炎患者における好塩基球の実際の機能は、いまだ十分に解明されていません。

今回受賞対象となった研究では、最先端の高感度1細胞RNAシーケンス技術を駆使し、アトピー性皮膚炎患者におけるヒト好塩基球の機能を明らかにし、将来的には、好塩基球を標的とした新たな治療法の開発へとつなげることを目指します。

授賞式

授賞式は2025年9月4日に開催する予定です。

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