異分野融合研究賞
異分野融合研究賞
英語名称 : Interdisciplinary Research Support for Scientists
概要
異分野融合研究賞は、東工大基金を活用し、学内における研究分野の多様性を生かした異分野融合研究を推進することを目的とし、分野を横断した研究チームに対して研究費の支援を行うものです。
研究領域が異なる場合のみではなく、「異なる技術、手法の組み合わせにより、既知の学問を超えた革新的な知見・知識の創出が期待できる場合」も、本支援の対象としています。
既存の研究分野にとらわれない学内異分野融合を推進する共同研究で、将来、新しい研究分野を生み出すことを目指します。
2022年度の募集要項
※2022年度の募集は終了しました。なお、2023年度の募集は行いません。
2022の支援採択者
本支援は平成30年に開始し、第5回目の今回は、2チーム6名が選考されました。
所属 | 職名 | 氏名 (★は研究代表者) |
研究課題名 |
---|---|---|---|
工学院 電気電子系 |
准教授 | 荒井 慧悟★ | ナノスケール極限環境物性科学の開拓 |
理学院 地球惑星科学系 |
助教 | 東 真太郎 | |
環境・社会理工学院 建築学系 |
准教授 | 沖 拓弥★ | 鑑賞者の多様な心理生理データに基づく英語能のエビデンス・ベースド・デザイン手法の検討 |
リベラルアーツ研究教育院 | 准教授 | 安納 真理子 | |
リーダーシップ教育院 | 准教授 | 永岑 光恵 | |
環境・社会理工学院 建築学系 |
准教授 | KAHLON Yuval |
採択チームの研究概要
<荒井准教授チーム>
30 年後の未来社会、私たち人類が知覚できる世界の地平線はどこまで広がっているでしょうか?知覚の地平線は、どれだけ豊かな「情報」をこの世界からセンシングできるかによって決まります。センシングといえば、昨今の IoT 化の興隆、およびそれに伴う各国の積極投資によって、爆発的に発展している技術分野です。ところが、今日のセンシング技術で得られる情報は、已然として人間生活に近い領域、つまり”常温常圧”で”マクロスケール”に限ったものがほとんどです。この世界には、例えば、地震火山・宇宙・海底などの自然界から、高圧機械や高温溶鉱炉などの産業界に至るまで、人類の知覚がいまだ及んでいない広大な領域が残されています。私たちは、量子センサと極限環境を実現する技術を融合し、このような領域を”みる”次世代センサを創出します。次世代センサの応用先として、高圧室温超伝導、地球内部組成、固体電池化学などの基礎科学から、化学プラントや海底インフラといった産業応用に至るまでを見通し、共同研究の輪が一層広がってゆくことを願っています。
<沖准教授チーム>
英語能(English-language Noh)は,能がもつ伝統的な技法や構造をベースとしているが,鑑賞者と演者双方の属性やバックグラウンドが多様であるため,同じ所作や音楽,謡(うたい)から鑑賞者が受ける印象も,個々人で大きく異なる可能性がある。本研究では,英語能ワークショップ時に記録・計測する,演者による所作・音楽・謡の動画データや 3D スキャンデータ,および,鑑賞者の生理データ(発汗・心拍・視線行動など)や心理評価アンケートデータを分析することで,英語能の舞台設計や演出が鑑賞者に及ぼす影響を定量的に明らかにする。そして,得られた知見をエビデンス(根拠)として,演出や舞台設計を効果的かつ効率的に行うための基礎的検討を行う。さらに,演者の記録・計測データから,英語能を VR(Virtual Reality:仮想現実)で体験可能な仮想空間を構築し,実空間と VR 空間での鑑賞者の「感じ方」の違いを比較するとともに,伝統芸能の継承に寄与するデジタルアーカイブの活用可能性についての知見と技術的課題を示す。
授賞式
授賞式は2023年3月7日に大岡山地区で開催されました。